タービンの惰性回転で動く人生
※本記事はチェルノブイリ原発事故について、およびそれを題材とした海外ドラマ「チェルノブイリ」の内容にも若干触れています。
「今月末までに、この場所でこの実験をして欲しい。」
「しかし、その場所は危険が伴うので実験場所として適しません。」
「では代替案があるのか?」
「別の実験場所を探すには日数が必要です。」
「それでは報告に間に合わない。今できる場所ですぐに実験を行うのだ。」
「しかし危険が……」
「すぐに、行うのだ。」
「……。」
ドラマ内の話?違います。私の前職で事務所内を飛び交っていた会話です。
というわけでHBO製作の海外ドラマ「チェルノブイリ」見ました…見てよかった!って感想に尽きます。
今年一番のオススメと言っても過言じゃないでしょう!
\HBO®ドラマ6作品ノンストップマラソン💥/
— スターチャンネル (@starchannel) 2020年8月11日
#ゲースロマラソン は終了しましたが、この後すぐ、深夜0:45より、激アツHBO®ドラマをマラソン放送しますよ~~!!
トップバッターは超話題『 #チェルノブイリ 』‼https://t.co/4wpHPOhgAy
未だかつて観たことのない、衝撃作でございます。 pic.twitter.com/1fP6JkMrGs
とにかく面白いから見て!としか言えないし、視聴方法は今現在アマプラのレンタルとTSUTAYAのみですが、5話全3巻なのでTSUTAYAの新作準新作4つで1,000円使えば全巻借りても+映画1本借りられる!お手軽!!
でもストーリーはやっぱり内容が内容なだけあって激重なので、レンタルするときは合わせて新作の「ソニック・ザ・ムービー」とか「デッド・ドント・ダイ」とか楽しい作品を選びましょう!!
内容を淡々と紹介するだけだと気が滅入っちゃうからか不思議とびっくりマークが付いちゃうね!!!
エイリアンの1作目を初めて見た時、狭くて暗い宇宙船内でセンサーのピコーンピコーンって音だけがどんどん大きくなって何者かわからない何かに襲われるのめちゃくちゃ怖っ!って感じた恐怖のさらにヤバいやつって感じでチェルノブイリヤバいな…
— 乙方 (@otsuuukata) 2020年11月9日
作中特に好きな(嫌な)シーンは原発事故発生前の作業員たちのてんやわんやなドタバタシーン!
めちゃ怖い副技師長ディアトロフを頭に作業員達が繁忙するのがヒヤヒヤドキドキ胃はキリキリ!
トレインスポッティングのベグビーに見た目も気性も近い。
話を最初に戻しますが、私の前職では前述の会話のまさにチェルノブイリ原発所内のような思考・体制が根付いていました。本作を見て完全にそのことを思い出してしまったのは言うまでもありません。
当然そんな自分の過去と重ね合わせてしまったのが登場人物の若き技術職員レオニード・トプトゥーノフ。
ベグビーにビビって完全に縮こまっているのが印象的。
補足ですが本作はあくまで原発事故発生から約2年間の出来事の話で、事故は規則違反による「人為的なミス」が原因として話が進んでいます。
しかし現在ではこの規則違反説は否定されていて、「施設の欠陥」が原因とされています。
https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detail_02-07-04-13.html
▲ 国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構
原子力百科事典 ATOMICA より
本作がドラマとしてめちゃくちゃ面白くなってるのは先ほどの副技師長ディアトロフやトプトゥーノフを交えた「人為的なミス」をかなり強調して描いてるところがあるそうで、実際には副技師長ディアトロフは作中の様なパワハラ特化型の人では無かったとか、しっかりと記録も残っているそうです。
自分の上司とディアトロフを比較して記事を書いてみようと思ってたけど、色々調べると上記のような史実との相違が多々あったので補足とさせていただきます。
たまたま見つけたので買っちゃった。オタクはすぐ影響される。
1995年の福井県もんじゅ高速増殖炉での事故とチェルノブイリでの事故を比較したちょっと昔の本ですが、チェルノブイリの事故関係者やその家族の証言も載っていて読み応えある。
当時、現地の大人は放射能にはウォッカが予防薬になると本気で思って飲んでいたり、一方で放射能が雨として土壌に流出しないようにヘリから雲にヨウ化銀をばら撒き化学反応を起こさせチェルノブイリに雲が近づく前に雨を降らすというYeah!Science!な技術で対応していたりと面白い話もあり、ドラマの補足としてこちらも楽しめます。
とはいえドラマでは脚色あれど、これだけ強烈な出来事を約5時間ぶっ続けで見せられるとどうしてもそのドラマ性に見入って感情移入してしまう。
頭の中では間違っていると思っていても立場が上の人からの指示だから…と自己弁護してしまい、結果仕事がズブズブになってツイッターに「仕事ヤバい」とだけツイートしてたのがまるで昨日のよう。
夏海ちゃん悪くないし~
そんな原発所内の作業員たちのピリピリした雰囲気と副技師長ディアトロフの圧の演技が凄まじくとてもリアル。俺が言うんだから間違いない、退職してよかった。
フィクションでも現実でもこんな理不尽な経験、人生において何の得もありません。
しかし本作「チェルノブイリ」はぜひ見て欲しい。
ホラーな演出も良いし作りもとても丁寧で、作中の人物も「何が起きたか分からない」状態で話が進んで行くので視聴者も置いてきぼりにならず、原子炉の仕組み・事故当時の政治・社会情勢等についての理解も深まります。
普段ツイッターでも世情や政治にも無関心を貫き、たまにRTで流れてくるニュースサイトの見出しを見て「◯◯、△△△⁉︎」とだけツイートするような我々非国民も、たまには世間に目を向けるのも良いかもしれませんね。そんなのツイッター上でだけ?そう……。
また、特に物語終盤の「そもそもなぜ事故が起こったか?」について、原子炉の仕組みと共に説明する法廷でのシーンはとても分かりやすい。
私の人生がボロボロになった原因も教えて欲しいですね。
ー 法廷
ヒトの人生で起きることは基本的にこの2つのどちらかです。
「つらくなる」または、
「つらくなくなる」か、それだけ。
うまく生きていくにはこのバランスを保つことが重要。
まず「仕事」、日々朝から晩まで働くことでつらさは上がります。
うまくバランスを取らないとつらくなりすぎてしまうのでここで…
「今期のアニメ」です。これが人生のつらさを下げる、いわば車のブレーキになります。
他にもつらさを下げる要素はあり、人によって様々です。
しかしアニメには内容によって自身のつらさを上げてしまう特性もあります。
アニメの男、
華やかなキャンパスライフ、
ドッヂボール…etc
アニメを見れば見るほどつらさが上がっていき、アニメを楽しめないほど疲弊してしまい…
手に負えない悪循環に陥るのです。
ですが幸い、それに反してこちらがあります。
これはツイッターというものです。
人生のつらさが上昇しても、そのことをツイートすることでつらさを下げるのです。
つまり、仕事はつらさを上げ、大量のアニメでつらさを下げる。たまに弊害でつらくなり悪循環が生まれるが、そのつらい人生をツイッターに投稿することでつらさを下げます。
以上のことが、人生うまく生きるカラクリです。
しかし、ここからさらにつらさを下げようとある思考が生まれます。
退職です。
退職すると労働から解放されるので当然つらさは下がります。
しかし退職によって人生は毒されていき、そのバランスは崩れ始めました。
この状態からすぐに転職先を見つければ無職になる事もありません。人生のバランスは保たれます。
しかし無職になった。
この状態で何故転職先をすぐに見つけなかったのか、お集まりの皆さんに理解できなくても無理はありません。皆さんはこの人の人生をなにも知らないのですから。
しかし実を言うと本人も
人生とは何か、分かっていなかったのです……。
皆さんはドッジボールが嫌で貸し出し用のボールを昼休み前の給食の時間に穴開けてベゴベコにしたりしなかったんですか?
— 乙方 (@otsuuukata) 2020年7月18日
再就職先が不安になってきました。
「チェルノブイリ」、ぜひ見てね~~!