死者が蘇る地「ペット・セメタリー」スティーヴン・キング
『あの場所は、突然あんたに取り憑くようになる』
「ペット・セマタリー」*1は1983年に発表されたスティーヴン・キング原作の小説。
タイトルにもあるようにとあるペット霊園が舞台。そこの近くに引っ越してきた家族に巻き起こる惨劇を描いたホラー作品。1989年に映画化もされましたが、近年リメイク版を製作。日本では2020年1月17日公開予定。
スティーヴン・キング原作の映像化作品は2013年の「キャリー」のリメイクをはじめに「IT」「ダークタワー」「ドクター・スリープ」と大変盛り上がってきていますね。
そんな中「ペット・セメタリー」のリメイク版が公開間近と言うことで簡単にご紹介。
『ペット・セメタリー』本編映像(BALLERINA) (2020)
個人的に「ペット・セメタリー」は原作小説も1989年製作の映画も大好きで、今更何をリメイクするのかといった印象でしたが予告を見る限り設定を少し変えてるみたいで案外良さげ。
キング小説のほとんどは自身の実体験をモデルにして作られています。例えばキングが2歳の頃に彼の父親は失踪しており、孤独な少年と悪い父親という構図は「シャイニング」に色濃く出ています。*2また『自分が小説で書いた怖い出来事は現実の世界では起こらない』といった願掛けの意味でストーリーを練ることも。
そしてこの「ペット・セメタリー」の舞台設定は、引越し先の家の前が大型トラックの走り抜ける危険な道路、家の裏にはその道路の被害者達が眠るペット霊園。さらにその霊園の奥には死者を蘇らせる忌まわしい土地があり…といったもの。
キングの考える最大の恐怖は『我が子が死ぬこと』と昔のインタビューで答えていました。キング自身も本作がモデルとなった実際の住居で、息子がトラックに轢かれそうになった所をすんでのところで引き戻した事が何度かあったとのこと。しかし本作は主人公が息子(リメイク版は娘?)を『引き戻せなかった』場合の話。その後の父親としての葛藤、そして行動が招く惨劇。『時には死の方が良いものだ』
ハラハラドキドキモノです。
※2020年1月15日現在 1989年版ペット・セメタリーはNetflixで配信中